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油日神社懸仏群

あぶらひじんじゃかけぼとけぐん

概要

油日神社懸仏群

あぶらひじんじゃかけぼとけぐん

その他 / 安土・桃山 / 江戸 / 室町 / 南北朝 / 近畿 / 滋賀県

不明

滋賀県

室町から江戸

油日神社は甲賀市甲賀町油日に鎮座し、「日本三代実録」にも見える古社で、その創建は平安時代に遡ると考えられる。平安時代後期には神仏習合の形態で栄え、神社に接して天台宗延暦寺に属する別当寺金剛寺はじめ成就院、照養院、善応寺等の六坊が存在し、そうした神仏習合時の繁栄を物語る遺品として同社には14点にのぼる懸仏群が所蔵されている。①大型遺品:大型遺品の三面(№3、4。5)はいずれも、面径50cm以上の懸仏で、内一つは75.5cmで県内でも屈指の大きさである。その表面は薄銅板を貼り、尊像および様々な鏡面装飾を配している。尊像及び大多数の装飾品は銅板に鍍金を施し、後者のうち獅噛形鐶座のみは表面に著彩を行う。特徴として、いずれも三尊形式であり、但し、尊像構成には各面若干の違いが認められる。②中型遺品:面径20~30cm代の遺品(№1、2、6、7)について(近世の№2は別)、中世の三面から見ると、いずれも木製裏板の表面に薄銅板を貼って鏡板とし、本尊及び服飾品を取り付けたもので、獅噛に彩色、他に鍍金を施すのは大型遺品と同様である。③面径20cm以下の小型遺品と残欠品を見ると、№8~11までの4面はいずれも室町時代の典型的な小型懸仏の形式を備えた遺品で、賑やかに細部意匠を打ち出した鏡板表面に、本尊や獅噛等を取り付けている。現状ではうち3面が木製裏板を伴うが、当初はこれにも裏板は付属していた可能性が高い。4面は細部ではいくつかの相違点が見られるが、法量も全体の雰囲気も近い。

№1:銅造尊名不詳像懸仏 応永30年 面径23.3、№2:銅造摩利支天三尊仏像懸仏 元禄3年 面径29.2 №3:銅造釈迦三尊像懸仏 室町時代 面径75.5 №4:銅造如意輪観音三尊像懸仏 室町時代 面径66.3 №5:銅造如来三尊像懸仏 室町時代 面径54.0 №6:銅造如意輪観音像懸仏 南北朝~室町 面径31.1 №7:銅造尊名不詳像懸仏 室町時代 面径24.4 №8:尊名不詳像懸仏 室町時代 面径15.6 №9:銅造尊名不詳像懸仏 室町時代 面径14.6 №10:銅造尊名不詳像懸仏 室町時代 面径13.3 №11:懸仏鏡板 室町時代 15.5 №12:懸仏仏体(如来像)室町時代 №13:懸仏仏体(釈迦如来像)室町時代 №14:懸仏仏体(十一面観音像)室町時代

14点

滋賀県甲賀市甲賀町油日1042番地1

甲賀市指定
指定年月日:20120927

有形文化財(美術工芸品)

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キーワード

懸る / / 鏡板 /

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